サンタ・エウラリア大聖堂
バルセロナの守護聖人である聖エウラリアは、290年にバルセロナの貴族の元に生まれました。
その頃、この地を支配していたローマ帝国によってキリスト教は弾圧されていましたが、聖エウラリアはキリスト教から改宗することを拒み、キリスト教徒への迫害を訴えました。
そのため彼女は13歳であるにも関わらず、13に及ぶ拷問を受けて殉教します。
死後は、彼女の遺体から鳩が飛び立ち、吹雪が遺体を包んだという伝説もあるようです。
教会には、聖エウラリアが受けた拷問を描いたレリーフもあります。
聖エウラリアの遺体は当初、バルセロナの教会サンタマリアデルマールに埋葬されていましたが、1339年にこのサンタ・エウラリア大聖堂に移されました。
主祭壇の地下室に、聖エウラリアの棺があります。
聖エウラリア祭のある2月12日頃には、この地下室の門が解放され、中に入れるそうです。
中庭にいる13羽のガチョウは、13の拷問を受け、13歳で殉教した聖エウラリアにちなんで飼われているそうです。
教会近くには彼女の拷問に因んで名前をつけられた通りもあります。
建物と装飾
そんなバルセロナの守護聖人が眠るサンタ・エウラリア大聖堂は、700年ほどの歴史のある建物です。
しかしこの場所に最初に教会が建てられたのは、2000年近く前の原始キリスト教の時代だと言われています。
985年ごろ、教会は深刻な被害を受けましたが、1046~1058年には残っていた地下室の上に新しく、ロマネスク様式の大聖堂が建設されます。
この時の建設者ラモン・バランゲー1世と妻アルモディスは、今もこの教会に眠っています。
↑ラモン・バランゲー伯とアルモディス妃の墓。
そして1298年から1417年にかけて、現在の教会の建物がゴシック様式で建てられます。
とは言っても、当時は他のバルセロナの教会と同じくシンプルな外観でした。
現在の外観になったのは、1888年です。
バルセロナ万国博覧会に合わせて、ネオゴシック様式のファサードと塔が建てられ、装飾豊かで豪華な姿になりました。
主祭壇
主祭壇です。十字架とキリスト。
背後のステンドグラスも細かい模様が美しいです。
聖歌隊席
こちらは聖歌隊席。余談ですが背後に見える窓のトレーサリーや、レリーフとその上の装飾もとても綺麗です。
聖歌隊の椅子はオーク材です。
描かれた紋章に、金色の装飾が豪華にあしらわれています。
礼拝堂等
全て柵で囲われていますが。
教会内に20以上の礼拝堂があります。
天井や柱
大きな柱とそこから伸びる天井のアーチや、トレーサリー、壁のレリーフがとても優雅で美しいです。
天井にも尖塔アーチの中心には一つ一つ、聖書を元にした彫刻が飾られています。
照明も。教会の雰囲気と合っていて綺麗です。
中庭
中庭にある噴水。回廊には礼拝堂が並び、修道院の一部は美術館になっています。
美術館
美術館にある天井画。
展示数は多くないですが、結構よかったです。
カメラでは一部しか撮れませんでしたが、
スマホで撮った天井です↑
屋上
屋根の上に登りました。
教会内にエレベーターがあります。教会内にエレベーター笑 ミラノのドゥオモにもありましたね。
前にはファサード側の塔、塔の先端には十字架が見えます。
その背後には、山や遠くにサグラダファミリアも見えます。
後ろにも十字架。こちら側は山ではなく海が見えるのもいいですね。
海が青いので地中海だと実感します^ ^
まとめ
建物に囲まれ狭いところにある大聖堂ですが、中は広く壮大な柱に圧倒されます。
一目でわかる歴史の長さと繊細な建物の装飾は、ガウディの建物と対照的で、また感じるものがありますよね。
大聖堂には豪華なオルガンや採光塔もありましたが、写真がないので載せていません^^;
行かれる際にはぜひ見てみてください。
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