グエル邸
グエル邸は、ガウディが30代の頃に建設したエウセビ・グエル伯の邸宅です。
カサ・ミラやグエル公園とは一味違った、それでもガウディの創造性の豊かさがよく分かる比較的初期の作品です。
ステンドグラス
上の写真はグエル邸三階にある部屋です。ステンドグラスに描かれているのは、シェイクスピアの作品で有名なハムレットとマクベス。グエル伯はシェイクスピアを好んでいたそう。
こちらは正面玄関の階段を登ったところにあるステンドグラスです。
ガウディはカタルーニャ州の旗をイメージしたそうです。
バルセロナ生まれの伯爵は、カタルーニャ人としての誇りがあったのでしょう。
今でもカタルーニャ地方の人は、誇りを持って生きているように感じますね。
こちらは渡り廊下にあるステンドグラス。グエル氏の両親の邸宅へと繋がる渡り廊下だそうです。
どこか後年の作品にもみられる、ガウディの世界観が滲み出ているステンドグラスですね。
カラフルでとても可愛いです。
正面玄関
正面玄関の扉の細工は、ガウディが提案したデザイン案からグエル伯自ら選んだそうです。
左はE、右はGと、グエル伯のイニシャルがデザインされています。
中央の鷲は、グエル伯の実業家、政治家としての成功を物語っているように感じますね。
扉は間近で見るとこのような感じです。
一見シンプルに見えて、とても凝ったデザインなのがわかります。
階段
正面玄関から中二階へと続く階段です。
カサ・バトリョなどの遊び心に溢れたデザインとはまた違い、気品や厳格さが感じられます。
こちらは、中二階からさらに二階へと上がっていく階段です。
中二階へ入る扉は木組みに花の彫られた鉄でできていて、重厚感のある立派な扉でした。
屋上へと続く階段も、上のものに比べると質素ですが、手すりのデザインが凝っていて素敵です。
屋上
ガウディといえばやっぱり煙突が独特ですね。
グエル邸は冬は寒く、たくさんの暖炉を必要としたそうです。
木が生えているように見えてきます。森を歩いている感覚に、 ^ ^
グエル邸の屋上の煙突は、一つも同じものがありません。
デザインが全て違いますね。
この塔は中央サロンの明かり窓だそうです。
見上げたら飛行機雲が交差していました : )
この塔、先端にはギリシャ十字とコウモリをモチーフにした避雷針があります。
コウモリは、アラゴン王国時代には ”幸運を運ぶ” と言われていたとか。
このコウモリの部分は風見鶏の役割を果たします。
サロン
こちらが中央サロンです。
見上げると小さな穴から光が入ってきて、星空のように見えます。
ドームになった天井は、音響を考えてコンサートホールのように作られているそうです。
二階から四階まで吹き抜けになっていて、三階の窓からも覗くことができますよ。
30分ごとに実際に音楽が流れるので、ぜひ聞いてみてください。
三階
この窓からは、中央サロンを見下ろすことができます。
こうして見るとこの窓のデザイン、少し「和」を感じませんか?笑
鏡台などをのぞいて、他のほとんどの家具はフランセスク・ビダル・イ・ヘベリというデザイナーが設計したそうです。
建物と一体化しているような家具はガウディでしょうが。
グエル邸の天井は、全てとても凝ったデザインで飽きないです。
暖炉の上に飾られている絵。
描かれているのはハンガリーの聖エリザベートだそうです。
地下
地下は馬車をひく馬のための厩舎でした。
ガウディはこの場所を森をイメージして設計したそうです。
匂いがこもらないように匂いを屋上へ逃す工夫もしてあります。
こちらは、かつて馬を繋いでいた鎖だそうです。
伯爵の家は馬の鎖までこんなにおしゃれなのですね()
まとめ
グエル邸には、他にもたくさんの部屋と見所があります。
写真が撮れていなかったので載せませんが、当時のグエル一家の暮らしが分かる部屋もたくさんありました。
グエル邸は所謂高級住宅街ではなく、どちらかというと貧しい人々の暮らす通りに建っています。
ガウディは土地の広さがないぶん縦の空間を利用して、この豪華な邸宅を設計しました。
カサミラやカサバトリョのようなガウディ・ワールド感(?)はないですが、豪華絢爛さや使われている素材の質などでは、他に負けないのではないでしょうか。
細部までこだわり、グエル一家への細かい気遣いや、ガウディ自身の魅力がたくさん詰まっていてとても見応えがあります。
時間帯のせいかもしれませんが、他のガウディ関連の観光地より比較的観光客が少なかったので、ゆっくり鑑賞できました。
このあとは、サンタ・エウラリア大聖堂へ行きます^ ^
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